男性特有の眼疾患【中心性蔣液性脈絡網膜症】原因はストレス!

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こんにちは♪
今回は筆者の本職、
「眼科検査技師」として男性の皆様に眼の病気をお伝えします!

≪中心性蔣液性脈絡網膜症(ちゅうしんせいしょうえきせいみゃくらくもうまくしょう)≫
聞き慣れない疾患ですよね?
ですが多くの男性が発症しています。

なぜか女性が発症することは非常に稀!
働き盛りの世代男性が発症することの多い病気です。

男性特有の眼疾患【中心性蔣液性脈絡網膜症】原因はストレス!

発症原因はほぼ【ストレス】

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完全に解明されているわけではありませんが、発症の原因は「ストレスによるもの」という見解が有力とされています。
ですが、なぜストレスからこの「中心性蔣液性脈絡網膜症」になるのか?
未だに不明の部分が多いのが現状です。
30代~50代男性の発症率が高いのが、この疾患の特徴。 
子供や10代で発症することは、まずありません。
また、両眼同時に発症することはほぼありません。
片眼のみ発症するケースが殆どです。

特徴的な症状

中心性漿液性脈絡網膜症にかかると、次のような症状が現れます。
  • 物が歪んで見える
  • 視力低下
  • 眼鏡やコンタクトを使用しても視力が変わらない 
  • 目の前に暗点がみえる(中心暗点)
飛蚊症と間違われやすいのですが、黒い点のようなものが見える場合があります。
生理的飛蚊症(特に病的ではなく治療が必要ないもの)は視点を動かすと黒い点が動いたり揺らいで見えるのが特徴です。

それに対して中心性漿液性脈絡網膜症は、常に見たい部分(焦点)の中心に黒い点があり、視点
を変えても常に見たい場所の真ん中に暗点が見えます。

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上記は「アムスラーチャート」という眼科の検査で使用されている物です。
中心の黒い点だけを見つめてください。
この中心の点が見えにくかったり、まわりの縦線・横線が歪んでいたり色合いが微妙に違って見えたら直ちに眼科へ!

※ただし、これらの症状は「黄斑偏性」「加齢黄斑偏性」という病気の際にもみられますので、これだけで中心性漿液性脈絡網膜症と断定することはできません。

なぜ歪んで見えるの?

眼の奥には中心窩(ちゅうしんか)という部位があります。
ここが、視力が1番良く見える部位になります。
ものを見るのに1番大切な場所です。

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出典:http://www.civillink.net/

その中心窩を囲むように黄斑(おうはん)、そして網膜(もうまく)という部位があります。
この黄斑部・網膜に水(漏出液)が溜まることで、眼の内側から形が歪み、その影響で物も歪んで見えるようになります。

≪漏出液が黄斑部に溜まり腫れるメカニズム≫

眼の内側をとりまく網膜の後ろ側には脈絡膜(みゃくらくまく)という部位があります。
脈絡膜は、網膜の外側を覆うように形成されています。
それが、何かしらの理由で脈絡膜から水が漏出します。
その水圧により色素上皮(しきそじょうひ)という部位に亀裂が生じます。
そこから水が流れだし、脈絡膜と網膜・黄斑部の間に水が溜まり腫れていきます。

このように、漏出液が黄斑部に溜まり腫れるというメカニズムは解明されています。
それでも、なぜこのような現象が起こるのか?
また、ストレスとの関連性は未知の部分が多いのが現状です。

治療法は?

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溜まった水は3~6ヵ月で自然消滅する場合が多いので経過観察を行い、自然治癒したら特に治療は必要ありません。
なかなか治癒しない場合や、後遺症が残りそうなケースはレーザー治療を行います。

≪治療対象の一例≫
  • 水が溜まっているせいで網膜に栄養が行き届かなくなっている
  • 視力の回復が悪い
  • 水が引いてきても網膜にシワがよって物が歪んで見える状態が続く可能性がある

≪レーザー治療法≫
黄斑部や網膜に水が流れ込んでくる原因となっている「色素上皮」の亀裂部分にレーザー(光凝固)を当てて止めます。

水が漏れなくなったら、あとは溜まっていた漏出水が自然に吸収されるのを待ちます。
レーザー後は3週間ほどで、腫れが引いてくる場合がほとんどです。

再発率が高い疾患

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1度治癒しても再発した場合、同じ裂け目、もしくは近い所から水が漏洩する可能性が高いと言われています。
ですので、水が流れ出る色素上皮の裂け目をレーザーで固めておくことで再発防止につながります。

しかし、再発は同じ目とは限りません。
「前回は右眼だったのに、今回は左眼に発症した」
そのようなケースも多々あります。

予防法は?

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原因が解明されていないので、残念ながら確実な予防策はありません。
重複して何度も述べますが、原因はほぼ「ストレス」という疾患です。
ですが、ストレスを抱える男性全員がこの疾患を発症しているわけではなく、医学的には確実に「ストレス」との関連性を証明できていないという現状もあります。

ストレス以外にも、この「中心性蔣液性脈絡網膜症」という疾患になる要因があるのではないかと言われていますが医学的解明はされていません。

さいごに

聞き慣れない【中心性蔣液性脈絡網膜症】
発症していても気付かないまま自然治癒している男性は、とても多いと言われています。

また、物が歪んで見えるという自覚症状がありながらも「忙しくて眼科へ行く暇がない」と放置してしまう男性も多く居ます。

確かに、自然治癒するケースの方が多いですが最悪の場合には後遺症が残るケースもあります。
特に「直線が歪んで見える」という自覚症状に気付いたら、速やかに眼科を受診しましょう。

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中根千恵
職業/フリーライター 男性のお役に立てる内容を、女性視点からお伝えしたいと思います♡
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