ダイエットのための運動と聞くと、ジョギングのようなただひたすら長い時間走り続ける運動を思い浮かべるのではないでしょうか。
そうした運動は時間がかかり面倒だし、何より退屈で、ジョギング用のシューズやシャツを買っても結局長続きしなかったということは多いのではないでしょうか。
そこで今回は、なかなか飽きがこず、さらに長時間運動するよりも効率的にダイエットを行えるトレーニングである、高強度インターバルトレーニングを紹介したいと思います。
効率的なダイエットには高強度インターバルトレーニング
高強度インターバルトレーニングとは、文字通り強度の高い運動を、休憩を挟みながら行うトレーニングです。
こうしたトレーニングは、長時間走り続けるような持久的なトレーニングよりも効率的に脂肪を減らすことができることが科学的に証明されています。
高強度インターバルトレーニングでは、持久的なトレーニングと違い、強度の高い運動を行う局面があることが最大の特徴です。強度の高い運動を行うことで、エネルギーの消費量がグッと上昇します。そのため持久的な運動を行うよりも多くエネルギーを消費し、効率的にダイエットができるのです。
高強度インターバルトレーニングは効率的にダイエットができるだけではなく、スポーツを行う際に必要になる能力も高めることができるのです。
例えば最大酸素摂取量が持久的なトレーニングよりもより向上することが知られています。細田酸素摂取量は持久的な能力の指標となるのですが、高強度インターバルトレーニングを行うと強度の高い運動を行うので、体内のエネルギーセンサーであるAMPKというタンパク質がより活性化されます。
活性化されたAMPKはPGC-1αという、体内のエネルギー工場であるミトコンドリアの生合成を調節するタンパク質を活性化させ、ミトコンドリアの量が上昇します。その結果持久力の指標となる最大酸素摂取量が上昇するのです。
また、筋肉には持久力は高いが瞬発力の低い遅筋と、瞬発力は高いが持久力の低い速筋という2種類の筋肉があるのですが、高強度インターバルトレーニングを行うと持久的なトレーニングでは使うことのない速筋も使うので、より多くの筋肉を鍛えることができます。
実際の方法
さて、それでは実際に高強度インターバルトレーニングを取り入れる際、どうすればいいのでしょうか。
高強度インターバルトレーニングは、普段のランニングに簡単に取り入れることができます。ストップウォッチを用意し、10秒ダッシュして10秒ゆっくり走る、という運動を8〜10セット繰り返しましょう。
始めはかなりきつく感じるかもしれませんので、きつい場合は休憩を伸ばしたりダッシュの時間を短くしたりしても構いません。慣れてきたらダッシュの時間を長くしたり、休憩の時間を短くしたりしてみましょう。また、セット数も増やしていきましょう。
ウォッチがない場合は、スタートの位置とゴールの位置を決め、その間を行きはダッシュで、帰りはゆっくり走って帰る、というのを繰り返す方法で行いましょう。
筋トレに取り入れる方法もあります。10秒間最大の速さで腕立てや腹筋、スクワットといった筋トレを行い、10秒休憩する、という運動を8〜10セット繰り返します。こちらも慣れてきたら負荷を重くしたり、セット数を増やしたりしていきましょう。
高強度インターバルトレーニングでは、最後まで全力を出すことが重要となるので、後のことを考えて最初から全力が出せない場合は、少し負荷を軽くしたり回数を減らしたりして極力最初から最後まで全力を出すようにしましょう。
強度の高い運動になるので、高強度インターバルトレーニングを行う前はウォーミングアップを十分に行ってから実施し、終わった後はダウンやストレッチを行うようにしましょう。
普段のダイエットに高強度インターバルトレーニングを取り入れて、効率的なダイエットを実現させましょう。
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紫瞳
スポーツ栄養学、運動生理学を専攻する大学院生。筋トレやダイエットに関する情報を科学的な面から発信していきます。
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